諦めにも似たため息がこぼれてしまう。
「ったく、桜は華組には出ないっつうのに。嫉妬は嫌だね。」
呆れた顔をしながら、泉希がチラリとスケブに集中する私の顔を見た。
そう。
私が喧騒がキライなわけ。
喧騒に混じって、いつも嫉みややっかみ。
イヤミなんかが飛んでくるから。
そんな言葉を聞きたくなくて。
いつもうつむいてしまう。
確かに、容姿はクールビューティーって言われていて。
同人の世界では、浮いてしまうくらいキレイとは言える。
ファンですって女の子のほぼ8割は、顔だって言えるし。
いつも私をうっとりとした顔で見られるのは、雑誌のモデルが目の前にいるかのように感じるらしくて。
顔だけ作家なんてレッテルを貼られるには十分な要素。
「桜も冗談半分で、華組受けたら?MSになれそうじゃん?」
ニヤニヤと笑いながら、ほおづえをついて私を見ている。
「MSって、メインセンターでしょ?あんな一番目立つのムリ!!まだ、目立たない一番端っこのSBって言われるサードバックの方がいいわ。」
カラ笑いをしながら冗談で返した。



