小さな席の周りには、驚くくらい人が集まっていて。
真ん中にいる、スラットした背の小さな女の子が、軽くおじぎをしながら周りに集まる人々と握手をしている。
「本当だ。華組の何がいいんだか…ただ毎月給料貰って、コミケとかのイベントで企業の宣伝とか、同人の後ろに広告載せる程度でもらえる昔の制度だったらいいけど。」
視線をそらすかのように。
さっき女の子から受け取ったスケッチブックにシャーペンを走らせながら、フッと鼻で笑った。
「まあね。今はアイドル並みに歌って踊っているもんね。」
泉希もフッと鼻で笑いながら、机の上にほおづえをついた。
その瞬間、
「てか、顔だけで売れてる奴が偉そうに。」
「売るのは同人じゃなくて、カラダの間違いじゃない?」
「中身のない顔だけ作家なんて、漫画界の質を下げてるよね?」
「ウザい!!」
「所詮は顔でしょ?年取ったら、何にも残らないクズが。偉そうに華組に応募する奴見てんじゃねーよ!!」
まるで、聞こえるかのように。
チラチラとこっちを見ながら。
斜め向かいの人だかりから聞こえる声。
やっぱり来たか…



