「今日は、悪かったな。」
玄関を出ると、藤原に頭を下げた。
「いいわよ。噂の桜ちゃんが見られたんだから。」
ニヤッと笑った。
それを気にもしないかのように、フッと笑った。
「で、藤原の感想は？」
それが一番聞きたかった。
「お見事。さすが、黒崎が担当したら売れない人間はいないって言われるに値するわ。」
「それはどうも。女版・黒崎の異名の藤原に言われたら、確実だな。」
「嬉しいようで、嬉しくないけど。でも、本当にこのまま諦めるの？」
急に眉をゆがませた。
「仕方がないだろう？本人があそこまで嫌がっているんだ。」
フウッと大きなため息をついた。
