「まあ、桜は破天荒な所もあるし、その容姿に変なのが寄り付かないように、冷たくあしらう癖も持っているしね。あたしも最初、桜にあった時、冷たくて嫌いだったもん。だから桜は華組には向かないな。」
クスクスと泉希が笑った。
「失礼ね!!」
ムッと口をとがらせながら、出来上がったスケッチブックを机の上に置いて立ち上がった。
「トイレ?」
「うん。喉も乾いたし、ついでに何か買ってくる。」
「あたし、コーヒー希望。」
「了解。」
そう言いながら後ろを振り返った時だった。
ドンッと何かにぶつかって。
「すみません。」
男の人が、心配そうな顔をしながら私の顔を見た。
「ジャマ!!!」
つい、いつもの癖がでてしまった。
冷たく言い放つと、男の人をにらみ上げた。



