丘をくだる途中、不意に莉子に呼びかけられた。
「加奈子さんもユキと同じ赤い目をしてるの?」
「そりゃ、兄妹だからな」
何を聞くかと思っていればそんなこと。
「あたしね、病院で、一度だけ赤い瞳をした女の子に会ったことがあって」
「へえ…」
それは初めて聞く話だな…。
「なんだろう、儚くて…天使みたいな女の子だったんだよね」
「天使って……」
そんな変なことを普通に言うから、思わずクスリと笑みが零れてしまう。
「今思えば…加奈子さんだったのかなって」
赤い瞳、
天使。
その2つの言葉で俺は確信する。

