夢中で背を向けて走り出した。
重い体はすぐ息が上がって、それでも走り続けた。
階段を昇って、たどり着いたのは屋上。
「はぁ…っはぁ…」
涼しい風に当たりながら、呼吸を整える。
弱りきった体が堪えられなくて、苦しみと言う名の悲鳴を上げる。
お兄ちゃんが幸せになれることなのに…
どうして涙なんか出てくるんだろう。
なんで…
夢中で拭うけど、それでも涙は止まらない。
ごめんね…
お兄ちゃん……
「加奈子……?」
聞き慣れた声に振り返ると、屋上の入口。
「おにい…ちゃん?」
「ここにいたのかよ、いつもみたいに病室にいないからすごい探したんだからな」
息が上がって、焦った顔してる。
きっと、病院中を探しててくれたんだ…。

