「…莉子が無事卒業して、大学に進んでくれたことが本当に嬉しいよ」
「うん」
パパが感慨深そうに言うから、少しだけ切なくもなった。
「…じゃ、じゃあ、行ってきます!!また後でね」
乗り込んだ黒い車が街をかけていく。
街頭のテレビに"矢吹首相 新経済政策に成功"と大きく表示されているのが見えた。
あたしが世間を騒がせたあの事件の後、一時はどうなることかと思った。
世間からのバッシングがニュースで報道される日々が続いた。
けれども、パパはあきらめずに、一つ一つの政策を進めていった。
パパを信頼してついてきてくれたたくさんの人々がいて、今の成功があるんだと思う。
スクリーンに映るパパはすごく輝いて見えた。
…きっと、この国の未来は明るいだろう。
そんなパパを誇りに思うと同時に、あたしも頑張らなきゃいけないと思ったんだ。
「着きましたよ」
車を降りた先に見える豪華な学校。