"もちろん黒虎の奴らがそれを見逃してくれるはずがない、だから"
「ここから先へは行かせない」
その前に、一人立ちはだかった…
「隼人…っ」
"俺が奴らをくい止める"
「あいつらに手を出すんなら、俺を倒してからにしろ!!!!」
強い口調で、隼人が叫んだ。
どうして……っ。
あたしをパパに引き渡すのが、隼人の仕事でしょ?
それなのに……
どうして…………?
あっという間にフェンスの手前にたどり着く。
「はぁ…っ…く」
ユキは荒い息で、傷口を押さえている。
狭い屋上にはもう逃げ場がない。
ここは3階だから、フェンスの奥ははるかな下だ。
絶体絶命…
「莉子…」
そんな絶望の中、ユキがあたしの名前を呼んだ。
「飛び降りるぞ」
「…え?」

