「えぇ」 隼人が怪しく微笑んだ。 隼人… ワンピースの裾を握りしめる手に、力がこもった。 「じゃあ莉子、こっちへ来なさい」 パパが手を伸ばしてくる。 ドクン… あぁ、 いよいよだ。 もう一度頭に思い浮かべたユキの顔。 あたしは、それを強くかき消した。 ごめんね… でも、行かなきゃ…! 覚悟を胸に、あたしはその一歩を踏み出した… グィッー!!! 「えっ?」 前に進んだはずの体が、強く後ろへ引っ張られる。 視界がぐるりと変わっていく。 見えたのは… 「はや…とっ?」 "… っ"