「ユ…キ…」 莉子が呆然と見つめる。 「…はぁっ…はぁ」 必死に探していたんだろう。 ユキの息は最上級に上がっている。 そして… 腰に当てられた、真っ赤な手。 すごい怪我だった。 「随分情けない姿だな」 「…るせっ…はぁっ…莉子を…離せ」 「…嫌だね」 立っているのもやっとの状態のユキに、 この上ない残酷な言葉を浴びせる。 「ユキッ…」 相変わらず、莉子は泣きじゃくっている。 「…はな…せっ」 一歩、一歩と近づいてくる、その足取りさえふらふらだ。