「ユキ…?」
「あぁ、そいつは瀬戸雪夜(セトユキヤ)。みんなユキって呼んでるんだ」
瀬戸君を眺めながらマスターが付け足した。
「は、はぁ…」
見下ろしたひざ元で眠る瀬戸君…
さらさらの髪から覗く顔はすごく整っていて、でも男の子を感じさせる雰囲気にドキドキする。
この人の寝起きってそんなに酷いのかな…?
あの隼人でも手の打ちようがないみたいだし。
もう、どうすればいいのよ。
「はぁ…」と小さくため息をつく。
その時…
「ん…」
突然、眠っていた瀬戸君が小さく動いた。
わわっ。
もしかして起こしちゃった!?
あたふたしている暇もなかった。
瀬戸君は眉間にしわをよせて前髪を軽くかきあげると…
ゆっくりと目を開ける。
そのままばっちりと視線が絡まった。

