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その次の日のことだった。


「莉子ちゃーん、いちごジャム取って」


「はーい」


目の前にあったビンを渡す。


藤堂君は幸せそうにジャムをパンに塗っている。


甘い香りが広がるキッチン。


いつも通りの朝。


ピンポーンッ♪


「あれ、こんな早くにお客様かな?」


チャイムの音を聞いて、マスターが玄関に走っていった。


「珍しいね」


「うん」


不思議に思いながら、カップに口をつけた。



「莉子ちゃーんっ、お客様だよ」


「えっ?」


あたしに…?


こんな朝早くに、誰だろう。