「莉子…?」 「あ…」 ユキの言葉で我に返る。 「顔色悪い…。大丈夫?」 そう言って頭を撫でられた。 「大丈夫……」 ユキが伸ばした手を取ると温かかった。 「大丈夫…だよ」 声が震える。 …未来のことなんて、考えていなかった。 結婚が嫌で、それだけで逃げてきた。 あたしの人生はあたしのものだって…。 けれども…。 家を捨てた今、あたしは誰かに頼らなきゃ…生きれない。 マスターや、みんなに。 そんな今が、ずっと続くはずなんてないんだ。 「莉子」 ユキの声に、顔を上げる。