声が消えそうになるけど…ユキ君のこと、見失わないように。



ユキ君は目を見開いたまま、そのまま動かない。


ユキ君の瞳に映ったあたしの姿が揺れる。



大きくて小さな肩は微かに…それでも確かに震えていたんだ。



「…バカなこと、言ってんじゃねえよ」


言葉とは裏腹な弱々しい声。


そしてそのままユキ君はふらつく。


「ユキ君…っ!!!」


ボスン…ッ


あたしの肩に頭を預けるように倒れこんでくる体。


耳元では不規則な吐息が聞こえてくる。


「大丈夫…っ!?」


「……バカやろ…重いだろ、はな…せっ」


「やだ、離さない」


「…何…言ってんだよ…」


それでもあたしの力じゃユキ君のような大きな体は支えられない。


うう…重い。


そのままあたし達は静かに倒れこんだ。