そこに見えたのは信じがたい光景だった。 「ひ、人が倒れた」 「誰か救急車を呼べーっ!!」 騒がしい人だかりの中。 声で状況は大体把握できたものの、人ごみの中、歩道にぐったりと横たわる人の姿。 「ユキ君…!!!」 誰の問いかけにも答えない。 青ざめた顔のまま、ピクリとも動かない。 「ユキ君!!!ユキ君!!!」 人波をかき分けながら彼の元へ急ぐ。 やっとたどり着いてユキ君に触れる。 呼吸があるのがやっとの状態になるほどユキ君は衰弱していた。