「アンタ…名前は?」 この男の人に教えていいのかな。 なんてついつい考えていると「答えなきゃ警察に突き出すよ」と冷たく言われた。 もう言うしか選択肢はないらしい… 「や、矢吹…莉子です」 小さな声であたしは答えた。 「ふーん、莉子ね」 男の人は何か企んでいるようにニヤリと笑う。 「俺は沖田隼人(オキタハヤト)。ここの従業員だ」 「えっ?」 この人…ここで働いてるの!? てことはまさか… あたしこの人と一緒に働こうとしてるの?