もう駄目。そう思った刹那、小さなリッ
プ音が響いて、私はゆっくりと瞼をもち
あげる。
光弥……今、私の瞼にキスしたの?
訳がわからずに、光弥を見上げると光弥
が苦笑した。
そして、ふわりと私の頬を撫でる。
「そんなに嫌がってるのに、無理やりし
ない」
優しく、宥めるような声色でそう告げた
光弥。
お風呂の時は……嫌がってるのに、入っ
てきたくせに。
言ってることが矛盾してるぞ!と怒鳴り
たくもなったが、とりあえず心の奥に押
し留めた。
少なくとも、光弥のこの行動に、ホッと
してる自分が居た。
でも……ほんの、ほんの、少し。
名残惜しいとも思ってるなんて、そんな
のはきっと。
一時の気の迷いだろうけど。


