ブラウスに手をかけた
朝田君の手が止まった。



「朝田君……?」



「ダメだ……。
やっぱり俺、お前を裏切れない。
抱けないよ……」



そういって、私のブラウスに水玉を作る朝田君。



私は驚いて、その溢れる涙を拭った。



「裏切れない?
どういう意味?」



「……これ、作戦なんだ。
俺と夏希の、作戦。
あれは全部嘘だよ。
国立は無理矢理キスされたの」