俺は、小さな紫色の箱を見て、
ついついにやけていた。



昨日のうちにかっておいた、
エンゲージリングのようなもの。



結婚とか大それたことは言えないけど
このくらいなら、良いよな。



今日はきっと、いいクリスマスになる。
そう思って疑わなかった。



「____ それ、恋那ちゃんにあげるの?」



女の子らしい
高い声。