そんな声と一緒に 前の座席から夏希ちゃんが顔を出した。 それだけでも、 私の心臓は嫌な音を立てるのに 夏希ちゃんは 至って普段通りだった。 「それ、 私にも一本頂戴?」 「あ、 でもこれ、朝田君から……」 「ふぅん? あ、ねえ! 日向君、ポッキー頂戴?」 そう言うと 朝田君はぶっきらぼうに ポッキーの箱を差し出す。 決して目を合わせずに 口を引き結んだ表情で。