皆興味津々だというように、夏希ちゃん
に質問していて、夏希ちゃんも丁寧に笑
顔で答えてる。




でもやっぱり。

朝田君は、まだ浮かない顔。



朝田君の性格からして、転校生なんかが
来たら、誰よりも先にいち早く話しかけ
そうなものなのに。



驚くくらいに、二人は冷たい他人同士だ
った。



それは、すごく違和感があって。



いつもと様子の違う朝田君が、心配にな
った私は、ゆっくりと朝田君に近付いた




「あ、朝田君……」



私が恐る恐る呼ぶと、ハッとしたように
顔を上げる朝田君。



こんなに近くに来ても、気がつかなかっ
たなんて、やっぱり可笑しい。



「れ、恋那か。なんや?」