心の中で苦笑しながら、無言で俯く私を 肯定と受け取ったのか。 光弥は優しく、私を抱き締めてきた。 温かい体温に包み込まれて、思わず再び 涙腺が緩みそうになる。 ──安心、する。 あの日 あの時 先生に助けられてなかったら。 私はきっと死んでいた。 先生のお陰で、私は今も生きている。 先生の犠牲の上で、私は生きてる。 それを忘れるわけには、いかないんだ。 「ナナ先生の分も……幸せに、なろうね ……」 「ああ……」