柔らかいその声とか
柔らかいその笑顔が
大好きだった。
たいして美人って程でもなかったけど、
先生の纏う空気は温かく、優しい。
まるで、もう一人のお母さんのように、
私達は先生の事を慕っていて。
先生の手のひらで、ポンポンって頭を撫
でてもらうのが毎日の楽しみだった。
「ナナ先生、大好きっ!」
先生のエプロンにしがみつくように抱き
つくと、先生も優しく抱き締め返してく
れた。
先生からは、柔らかくて優しい、柔軟剤
の香りがいつもしてた。
「ありがとう。先生も、恋那ちゃんのこ
と好きよ」
あの日だって。何らかわりのない。
毎日の延長だって。そう思ってたの。
そう信じて、疑わなかった──。


