ふっとバカにしたように嘲笑した夏希は
そのまま一方的に電話を切った。
残ったのは、ツー……ツー…という虚し
い電子音と。
社会的権力があるわけでもない人間に、
逆らえない虚しい俺の姿だった。
利用されてるのは、わかってる。
嫌だって、言えたなら。どんなにか楽な
んだろう?
思わず、ケータイを握る手に、力がこも
る。
あいつと……。
あいつと、出会わなければ。
そう、何度考えらことだろう。
夏希と出会ってから、俺の人生は初めて
狂いだした。
夏希と出会ったのは、中2の時だった。
7月という半端な時期に、彼女は転校し
てきたのだ。


