そんなどろどろした感情をもて余す自分
が嫌いだった。
だけど心のどろどろは、消えてくれなく
て。
きっと心のどこかで、蔑んでた。
──ああ、哀れな奴等。可哀想にな、っ
て。
努力に努力を重ねても、残念な結果しか
得られないなんて。そんな体験、俺には
無かったから──……。
ただ、できすぎるのもあれだから、周り
と同じくらいにレベルを落とした。
勉強ではつねに、中の上くらいを狙って
いた。
──ブルブル……。
携帯のバイブ音がして、ポケットから携
帯を取り出す。
【西山 夏希(にしやまなつき)】
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