「朝田君って頭良いんだねっ」 「日向君、勉強教えて~?」 「あっ、ズルい私も~っ!」 ああ、鬱陶しい。 朝からやたらと耳にまとわりつく、女達 の作ったような甘ったるい声。 それが俺のイライラを募らせて、俺は小 さく舌打ちをした。 これがもし、女じゃなかったらきっと。 「……殴ってんな」 「え、国立!?」 思わず漏れた声に、敏感に反応したのは 滝川。 なんな物騒な言葉が聞こえたんだけど! と目を大きく見開いている。