良かった、と言おうとして、思わず言葉
を止めた。



何故なら、不意に、ぞわぞわっと背中に
異様な空気を感じたから。



だから、恐る恐る、振り向くと。



……!!



そこには偶然通りかかったのか、廊下か
ら光弥が私と朝田君の事を刺すように見
ていてちょっと怖かった。



悪いことなんてこれっぽっちだってして
いないのに。それでも何故か悪いことし
た気分になるのは



……どうしてですかね?



「ほんでな、恋那……」