あー最悪……。 俺は、気だるい身体で寝返りをうつと、 そんな風に思いながらため息をついた。 まだ6月だっていうのに。ましてや、転 校して間もないっていうのに。ここがク ラスに溶け込めるかの勝負だっていうの に。 そんな重要な時期に、俺、朝田日向は発 熱していた。 熱のせいで歪む視界と、ぐるぐる回るよ うな感覚が気持ち悪い。だから目は瞑っ て、それを覆うように腕を乗っけてる。 ……ピピピ。 ふと、そんな電子音が鳴ったのが聞こえ て、俺はゆっくりと重たい瞼を持ち上げ た。