「……さっぶ!」



私は、カイロを手のなかで動かしながら
、縮こまってた。



息を吐くと、空気が真っ白に濁って、そ
れが余計に寒さを際立たせる。



気付けばもう12月。あの日から、光弥
はちょっと積極的で。



すきあらば、触ってこようとするから油
断出来なかった。



お父さん、お母さん──どうしてまだ帰
ってきてくれないの!?



このままじゃ私……、光弥に犯されちゃ
うんですけどー!!



一体いつまで旅行に行ってるのよ、と苛
立った。



「ね、恋那……クリスマスさ、遊ばない
?空いてたらで良いんだけど」

「クリスマス?いいけど、千夏、彼氏は
?」



突然誘ってきた千夏にそう言うと、千夏
があからさまに顔を歪めた。