思わず、顔を逸らしてしまう。



そんな表情で、そんな眼で見ないで欲し
い。



だってそんな風に見つめられたら──。



「椎名、お願いだから茶化すなよ。俺は
本気だよ?いつだって椎名にキスしたい
し、椎名を抱きたいと思ってる」



嫌でも、圭君の気持ちが本気だって事を
知らされてしまうから。



恥ずかしげもなくそう言われて、顔が火
照りだす。せっかく夜風に当たって冷や
された身体が、逆上せたように熱くなっ
てしまった。



……そんな風に、おもっていたの?



「本気で考えて……俺のこと、好き?」



不安げに揺れた、圭君の瞳。



圭君を、好きか嫌いかって言われたら、
好きだよ。



でも──。



「ごめんなさい」