そして光弥は、私を抱き締めたまま、さ
っきよりも鋭く、圭君を見据えた。


「こいつに触んなよ」



そう言った光弥に、圭君は相変わらず笑
みを浮かべていて。



「何で?俺が誰に触ろうと、国立には関
係ないだろ?」



だけど、微笑んでるのに圭君の言葉はど
こか刺々しくて。



せっかく千夏のお陰で仲直り出来たって
いうのに、また火花を散らし始めた二人




どうして仲良く出来ないの?と不思議で
仕方ない。



圭君なんて、クラスの誰とでも仲がいい
イメージさえあるのに。ていうか実際、
光弥以外とは仲がいいのに。



「ちょ、ストップ、ストーップ!」



千夏が、慌てたように二人を止めに入っ
た。



そして、圭君と光夜をにらみ据える。



「さっき仲直りしたのに、どうしてまた
喧嘩するのよ!」