「隼斗…朝だよ、起きて」 奏未の明るい声で、 目を覚ます。 いつもと同じ光景に戻っていた。 微かに漂う朝食の匂い。 「具合、どう?」 「楽になった」 「一応熱計ってね」 「ああ」 奏未の歩き方も、 少しは良くなったように見えた。 スーツに着替えてテーブルに座ると、 湯気が上がっている朝食を奏未が並べてくれた。 「職場で無理しちゃだめだよ」 前に俺が奏未に言ったようなことを、奏未が笑顔で言った。