「那智。退院したら、また飲みに行こう。 今度は酔っぱらわない。俺だけ話したりしない。 那智が笑ってるのを、俺はずっと見てたいんだ。 面白いこと言って、たまに俺を笑わせて。 また、行けるよな…?」 返事はない。 それでも俺は、那智に話しかけた。 「結婚しようか。那智」 那智の左手を握りしめた。 「今決めたことだから、婚約指輪はまだ買えないけど、その代わり、俺がずっと左手を握ってるから」 細くて、力のない手を、両手で握りしめた。 ピクっ