「奏…」
「パパ、ママおそいー!はやくっ!」



「ひ、ひなた…っ」


びっくりして、声が裏返った。



み…見られた……よね?


今確実に…‥‥


あぁ‥‥日向に悪影響…。



「ごめんな、日向。ちょっと待ってろ」



隼斗がポンポンと日向の頭を撫でると。


膨れっ面だった日向はたちまち笑顔になった。



「ママも!」



「はーい」



食べ終えた食器を洗って、着替えてきた隼斗とチェンジして、あたしも着替えて。


鞄の中に、カメラをいれた。


お気に入りのシルバーピンクのデジカメ。



また写真が増えるなぁ…。


たくさん撮って、たくさん思い出を作りたいなー‥‥‥。




これからも、何年先も。
1分、1秒を隼斗と日向と大事に過ごしたい。





「準備できた?」


隼斗が声をかけて、あたしはうんとうなずいた。





「日向は?もう車乗って待ってる?」



「あぁ」



よし、日向の着替えもウェットティッシュも持ったし。







宝物になる時間を過ごしに行こう―――――――‥‥‥













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