雪が降っている夜。 「ねぇ…隼斗……、なんかお腹痛い…」 「それって、陣痛じゃ…」 「うん、隼斗が仕事から帰って来る前から痛みだして、病院には一応連絡したんだけど…。 ……‥‥痛い……っ」 小さく息する奏未を抱きあげて。 車にのせて、病院に行った‥‥。 いよいよだ。 これから、子供が生まれる。 ……嬉しいはずなのに、 緊張して、手が震える。 外はますます風が強くなっていた。