「どうした?腹の子に障るぞ。やっぱり具合悪いんだろ?」 「ううん…」 「ほら」 差し出された左手が、温かくて、優しくて。 「大丈夫だ、俺が側にいるから、な。泣くな」 「…っ……ごめ…っ‥‥‥‥」 検診で先生に相談したら、 情緒不安定になるから、そのせいだろうと言われた。 隼斗を困らせるかもしれない。 でも。 「大丈夫」 隼斗がそう言ってくれると、心の重荷がすっと消えてくれるような気がするんだ。