「そう…だねっ」 あっ…、そういえば。 「鍋!忘れてたっ!!吹きこぼしてるかも!」 ―――――――‥‥グラっ… 急に立ち上がったからか、サーッと視界が歪んで。 後ろに倒れそうになった。 「…っと、危ない危ない」 「…大丈夫か?」 「うん、全然大丈夫! 火、止めてくるね」 寒くないのに、あの嫌な震えが全身に回った。 怖い。 さっきみたいなことがこれからも起きるのかな…。 もくもくと上がる湯気を見つめながら、しゃがみこんだ。