避けられているのはすぐに分かった。



俺もこれ以上近づこうとはしなかった。



できるだけ、考えようとしなかった。



そうして、自分を保っていた。




2月14日。


何かの日だったことは覚えていた…けど、何の日かまでは思い出せないまま会社に向かった。





「部長!よかったらどうぞ、義理ですけど」


「あ、あたしも〜!」



女子社員が俺に小さな紙袋を渡して、やっと今日が何の日か理解した。



「疲れが吹き飛ぶように、思いっきり甘くしましたよ〜!
あ、部長甘いのだめでした?」