中学生の恋愛なんて、出来ることが限られている。


デートは恥ずかしくて出来ないし、

手を繋ぐことだって結構な勇気が要る。


学校からの帰り道に、2人で帰るくらいしか出来なかった。













「蔵高?」



「うん。女子高だけど、きつい校則ないし、たくさんの部活があるし。
…ハルくん、ごめんね」



中3の秋。

てっきり俺は、2人で瀧高に入学できると思っていた。



蔵咲高校は、地元では名の知れた名門高。


そんなところを目指す加藤に、一緒に同じ高校を目指そうとは言えなかった。