‥‥‥‥――――――――― 真っ赤に染まった、奏未の白いコート。 安斎の手から、真っ赤なものが滑り落ちた。 「‥‥‥だめ…です、死んだ…ら…………」 奏未は、安斎を抱き締めて、腕を押さえていた。 「嫌…‥‥‥ッ、わたしッ、何……」 「落ち着いて…? たとえ誰も安斎さんをわかってくれなくても…っ…、あたしは、味方だから‥‥‥‥」 バタ…と、倒れたのは。 コートを真っ赤に染めた、奏未だった。