揺れる車内。


酔ったかな…、気持ち悪い…。



「具合悪いのか?」


「……大丈夫…。我慢できるから」




迷惑かけたくないよ…。


「ついたぞ」




フラフラする。

風邪ってやだな…。


「ほら。手」



「手?」


「危ないから、奏未。
俺に迷惑とか、思うな。ほら」


そっと手をのせた。



ぎゅっとあたしの手を握った隼斗の手は、大きくて優しかった。



「熱い手だな」


………久しぶりに、隼斗が笑った顔を見た。



やっぱり、かっこいい…。


「行くぞ」


「うん」