家について、


俺が奏未を運ぼうとしたら、


大丈夫、と一人で歩き出した。





「もう、大丈夫だから…会社に行っていいよ?」


「いかない。
今日は早退した。
病院行くぞ?」



すごく嫌そうな顔してる。
奏未病院嫌いだったか?


「あたし寝てれば治るから、大丈夫だって…」


「ダメだ。


逆にそのほうが俺にしては迷惑だから」


奏未の足が止まった。



「わ…かった、行くよ…」


「服、着替えるんだろ?車で待ってる」



「…うん」




………………何でだ?


何で…俺を頼ろうとしないんだ?



車の中で、俺を呼んだあの時も…

今も…




俺は奏未の夫なんだぞ…。