体が弱くなかったら、と毎日夢を描く。



でもそれはあくまでも空想で、現実と夢は違う。



その時背後から声がした。



「ヒナ、お花買ってきたわ。今日も窓の外を見てたのね」

「……うん。それより、今日は何の花を買ってきたの?」



母は毎日花を買ってくる、季節事に違う花を。



体が弱い少女のために。



「今日はね、ひまわりよ。太陽の花って言われてるの」

「きれいだね。お母さんありがとう」

「後で花びんにさして飾っておくわね」



そして、母が思い出したように言った。