夜になってから家を出て、月光の丘へ踏み入れた。


夜空を見上げると、蒼い月が浮かんでいて幻想的な景色だった。


もう少しで、月光花……マナトと出会った場所に着く手前で立ち止まる。


本当は、きれいな思い出のままにしておきたい。


引き返そうとした時、なつかしい声がそれを思いとどまらせた。



「ヒナ」