百鬼夜行の主~番外編~


そして、現在に至るー

「なんでこんな羽目に…」

「好きなのを選んでね?と言ったのは主様ですよ?」

結局映画館の販売場でポップコーンとジュースを買い、私たちは映画を観ることになった。

「そーだけど…なんでホラー選ぶのよ…普通ならアクションとかでしょ…」

私は販売場で買ったポップコーンを足を組み、やけ食いともとれるほど豪快に食べる。

ほどよくきいた塩気が私の手を止めさせてくれないのだ。けっしてやけ食いではない。さらに言うならけっしてホラーが怖いわけではない。

ただ単にビックリするのが嫌なだけであって、幽霊の類いがダメなのではー

「主様。もうすぐ始まりますよ」

館内がゆっくりと暗くなる。ありきたりな映画の宣伝や半券ショップ、なぜか車の宣伝が流れると映画が始まった


…もし神様がいるなら、ホラー映画なんて作り出したことを怒鳴り付けてやりたい