「まぁ、正直価値観の違いやあくまで主従と言うところもあって大変なところはある。だが、その大変さを乗り越えれるほど俺は主様が愛おしいんだ。主様は主様で苦悩することもあるみたいだが、その時は俺じゃなくてもいいから誰かに聞けばいいと伝えてある。だから、お互い抱えないようにしてればそういうことをいちいち考えることもない―つまり、結論を言えば、そういうことは一切考えたことがない」

「…使えない」

聞こえない位小さな声でつぶやく。俺は苦笑しつつ、さらに付け足した

「人間と妖怪じゃ、確かに生きる時間も違う。その短い時間の中で価値観の違いを許容すればお互い楽しくいられるんだ」

「ふーん…」

雪羅はラッパ飲みしてた酒瓶を奥と、じっと俺の顔を見た。

こいつがまさか人間と付き合うなんてな…そんなことを思いながら、俺は「俺の顔になんかついてるか?」と聞いた

「別に。あんたもちゃんと考えてるんだね。そーゆーとこ」

意外そうな顔をされて俺は再び苦笑した。