「あづーい…!!」


人間姿の雪羅がげんなりしながら言う。夏だから当たり前だが確かに暑い。炎天下の中、私は日焼け防止のための上着を来ているから当たり前だが暑い。

私は上着の裾で汗を拭きながら鬼灯を見る。


「鬼灯、暑くないのか?」


「大丈夫ですよ。妖怪なので多少の暑さ寒さには慣れていますから」


そういっているが、鬼灯も少しこの暑さにはまいっているようだ。Tシャツにジーンズ姿の鬼灯は私よりは幾分ましだと思うが、腕や頬には汗が浮いている。

私は上着のポケットに入れていたミントキャンディーを鬼灯に渡した。


「多少はそれで涼しくなるから」


「…有り難うございます」


鬼灯が小さく微笑む。暑さのせいか、私の頬は少し赤くなっていた。