「鬼灯ーお前も一緒にいくか?」


私は近くで本を読んでいた鬼灯に話しかけた。


鬼灯は夏なのに暑そうな着物を着ている。しかし、汗一つかいていないのはきっと妖怪だからだろう。(雪羅は雪女だから暑さには弱くて人間みたいに汗もかくけど…)


『そうですね…護衛としてついていきますよ』


鬼灯は本を置き、一瞬で人間に変化した。


正直、鬼灯が人間に変化するとめっちゃかっこいい。銀色の髪は自然な黒色になって角も消えている。しかし、見た目がイケメンだから女子とかにモテる。まぁ、性格も真面目で優しいからモテるんだけど…


「相変わらず真面目だよな。鬼灯は」


私は鬼灯の頭を撫でながら言う。


「っ…主様、撫でられ慣れていないので…すみませんがやめてもらえますか?」


鬼灯が顔をそむける。


「鬼灯、顔赤いぞ?熱でもあんのか?」


「いえ、何でもありません」


鬼灯はそっけなく言い、ビルから出た。


「雪羅―行くぞ―」


「はーい♪」


人間姿に変化した楽しそうな雪羅を連れて、私もビルから出た。