「主様…主様…!!」

寂しそうに、安心するためのように鬼灯は私を呼び続ける。あぁ、そうだったのか…私が一人が怖かったように、鬼灯も怖かったのだ。

自意識過剰かもしれないが、私がいなくなったのが怖かったのだろう。

花火と人混みの音が私の耳に響く。私は顔をあげ、静かに微笑んだ。

「大丈夫だ。私はここにいる。だから安心しろ」

私は微笑んだまま、鬼灯の目を見る。

鬼灯は静かに頷いた。

私は背伸びをし、鬼灯の耳元で囁いた。

「ーーー」

私の声は、人混みと花火の音でかき消された。

しかし、鬼灯にはちゃんと聞こえたようで鬼灯は静かに微笑んだ。




「鬼灯、愛してる」