その後の廃ビル―
『これなどいかがでしょう?』
私は雪羅の部屋で浴衣を選んでもらっていた。どんな浴衣が自分に似合うかなんてわからないので、一番着物を着ている雪羅に選んでもらおうと言うことになった。
『ちゃんと手入れしてて良かったですよ~幽ちゃんならどれも似合いそうですし、背も似たような感じですしね』
背は同じでも胸はお前の方がでかいだろ…!
言うと虚しくなるので私はその思いを胸に押し込んだ。
私は雪羅が出してきた浴衣を見る。計5着の中から見てもらってるが…どれも捨てがたい。私は頭を悩ませながら、浴衣を見る。
『ア…!これ似合いそうです!!』
雪羅が部屋の片隅に置いてあった段ボールの中から、まだ開封されてない浴衣を取り出した。
「…雪羅、それがいい!」
『了解しました!』と雪羅は笑顔で言うと浴衣を開封した。